サノスは、既に滅亡した惑星タイタンの出身で、青色がかった肌と大きな体を持ちます。宇宙の始祖的な存在であるセレスティアルズが生み出した超人類「エターナルズ」の血を受け継いでいますが、他のエターナルズとは異なる醜い姿です。
増え続ける生命によって宇宙の資源が尽きてしまうことを危惧し、6つ存在するインフィニティ・ストーンを揃えて全宇宙に存在する生命の半数を消滅させようとします。
サノスは超人的な力や、明晰な頭脳を持ち、多くの部下を従えるカリスマ性も備える存在です。最初の頃はまさに「悪党」といった雰囲気で描かれていきますが、シリーズが進むごとに、彼なりの過去や正義があると分かっていきます。
サノスを演じたのは、ハリウッド俳優のジョシュ・ブローリンです。彼は『グーニーズ』(1985)で映画デビューし、その後も様々な大作に出続けています。『ミルク』(2008)ではミルクを殺したダン・ホワイトを演じ、アカデミー助演男優賞にノミネートされました。
既に50歳を超えている彼ですが、サノス同様に鍛え上げられた肉体を持っていることでも知られています。
同じマーベル映画である『デッドプール2』(2018)では、身体の半分がサイボーグ化された戦士ケーブルを見事に演じました。
サノスの日本語声優を担当したのは、ナレーターもこなす声優の銀河万丈です。彼は非常に渋い声を持つベテラン声優であり、声の特性を活かして大物や悪党の役を多くこなしてきました。『スパイダーマン2』(2004)のオクタビアス役や『移動都市/モータル・エンジン』(2018)のマグナス役で知られています。
多くのアニメ作品にも出演しており、『タッチ』(1986)の原田正平や『機動戦士ガンダム』シリーズのギレン・ザビの声が印象に残っている人も多いのではないでしょうか。
サノスは多くのファンから「MCU史上最凶最悪のヴィラン」と言われていますが、物語が進んでいくと、彼が単純な悪ではないことが分かります。
サノスはインフィニティ・ストーンを揃えることで全宇宙に住む生命の半数を消滅させようとし、一時ではありますがそれを実現させました。この事実だけで考えれば、彼は映画史上最悪の殺戮者だと言えるかもしれません。しかしサノスが実現したかったのは、宇宙の資源を守ることによる、平和維持なのです。
平和を守るために生命の半数を消滅させるとの考えは、彼の出身である惑星タイタンが人口増加による資源枯渇により滅んだことから生まれています。
彼は悲しい経験をしたことから、宇宙を守る方法は「全生命の半数を消すこと」しかないと結論付け、そのために必要な犠牲は全て払ってきたのです。
自分が育ててきた義理の娘ガモーラに愛情を向ける描写もあり、彼が冷酷なサイコパスではなく、聡明であるために過激な方法をとってしまった人物だということが分かるでしょう。
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DIGLE MOVIE編集部
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DIGLE MOVIE編集部ディレクター。音楽、アニメ、漫画、映画、ファッションなど、全てのアートカルチャーをこよなく愛しています。 某音大卒、アメリカ留学後に大手音楽レーベルにてアーティストの新人発掘、マネジメントに携わり、現在はアーティスト兼ディレクター兼アートコンサルタントとして様々な素晴らしいモノ、コトを提供中。 アートを新たな価値として提供する事にも日々模索中でMUSIC HACK DAY Tokyo 2018にも出場し、Sigfox賞を受賞。
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