サノスがインフィニティ・ストーンを揃えようとした理由はコミック版と映画版で異なると言われています。コミックス版では、自身が愛した死の女神デスの気を引くために、インフィニティ・ストーンによる大量虐殺を企てるのです。コミック通りであれば、サノスはタダタダ恐ろしい、愛に狂ったヴィランだと言えます。
しかしこの動機がMCU映画の世界観に合わないことや、登場人物を増やすことでサノスやヒーロー達の物語を描き切れなくなる可能性から、設定が変更されました。
インフィニティ・ストーン集めの同期を「宇宙の平和維持」にしたことで、サノスは完全な悪でない、より複雑で現実的かつ奥深いキャラになっています。
どちらの設定が優れているという話ではありませんが、これまでMCUが作り上げてきた物語の流れから考えれば、素晴らしい選択だったと言えるのではないでしょうか。
サノスに人間らしさを与えることで、『アベンジャーズ』シリーズがただのヒーロー映画と一線を画す大作に仕上がったのです。
サノスは、『インフィニティ・ウォー』で初めてトニー・スターク(アイアンマン)と対峙した時、彼のことを既に知っていました。
「お前がスタークか」「お前だけが知識に呪われた者ではない」と投げかけた言葉に違和感を感じた方も多かったのではないでしょうか。
サノスは1作目『アベンジャーズ』における地球へのチタウリ侵攻の黒幕であり、ロキを陰で操っていました。そのため、ロキを退けたアイアンマンのことを認識していたと言われています。そしてサノスは、同じく聡明な頭脳を持つトニーに少なからず共感を覚えていたと考えられるのです。
トニーはパワードスーツを進化させることで、世界の平和を守ってきました。そしてサノスは6つのインフィニティストーンを揃えることで、やはり宇宙の平和を守ろうとしたのです。両者のやり方は正反対でしたがどちらも世界を救おうとした賢者であり、聡明過ぎたために他人からはなかなか理解されないという共通点を持っていました。
そう考えると、『エンドゲーム』以降の2人がいなくなった世界で何が起こるのか、今後の展開へ更に興味が湧いてきます。
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DIGLE MOVIE編集部
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DIGLE MOVIE編集部ディレクター。音楽、アニメ、漫画、映画、ファッションなど、全てのアートカルチャーをこよなく愛しています。 某音大卒、アメリカ留学後に大手音楽レーベルにてアーティストの新人発掘、マネジメントに携わり、現在はアーティスト兼ディレクター兼アートコンサルタントとして様々な素晴らしいモノ、コトを提供中。 アートを新たな価値として提供する事にも日々模索中でMUSIC HACK DAY Tokyo 2018にも出場し、Sigfox賞を受賞。
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