身売りに出され縄につながれたまま無表情で買い主についていくカナヲ。そんな彼女を救ったのが、胡蝶姉妹でした。胡蝶姉妹はカナヲを強引に買い取り、蝶屋敷で保護します。辛い生活の中で命令なしでは何もできなくなっていたカナヲをしのぶは心配しますが、姉のカナエは至って前向きです。「好きな子でも出来たら、カナヲも変わる」と彼女にコインを持たせ、困ったら裏表で決めるように伝えたのでした。回想を終えたカナヲは炭治郎を見つめつつ、その場を去ります。
訓練を始めてしばらく経ったある日、炭治郎と伊之助の元に鋼鐵塚と鉄穴森(かなもり)が新しい日輪刀を携えて来訪。自分が打った刀を折られて、炭治郎に怒り心頭の鋼鐵塚。そんな彼をなだめる鉄穴森も、自分が新たに打った刀を早速石で叩いて刃こぼれさせてしまう伊之助に、我を忘れて怒るのでした。
新しい刀を手に入れて意気揚々の炭治郎は、とうとうカナヲとの勝負にも勝利。機能回復訓練は無事に終了したのでした。
第25話では、栗花落カナヲの壮絶な過去を中心に物語が進行していきます。あまりに辛い生活に心を保ち続けることができなくなったカナヲは、自ら考えることをやめて無感情になることで心を保つようになりました。ハエが寄ってきても自分が売られても全く表情を崩さず平然としているように見える幼いカナヲの姿には、胸が詰まります。
また、幼少期の辛い経験によって、カナヲはいまだに自分の意見を持たず誰かからの命令でしか動くことができません。優秀な剣士であるカナヲにも、辛い過去と克服できていない大きな問題があったのです。
さらに、カナヲの回想には、昔の胡蝶姉妹も登場します。生前の姉である胡蝶カナエの優しさにあふれる姿や、今よりも勝気なところが前面に出ているしのぶの姿を見られるのは、ある意味で貴重です。現在のしのぶの雰囲気は生前の姉に似せたものであることが、今回の回想シーンを見るとよく分かるでしょう。
26話のラストでは、機能回復訓練を終えた炭治郎がしのぶに「ヒノカミ神楽」について知らないか尋ねます。一度も聞いたことがないというしのぶに対し「じゃあ、火の呼吸とか……」と炭治郎は食い下がりますが、やはり彼女は知らない様子。しかし、「火の呼吸」ならば「炎の呼吸」と関係があるかもしれないと、炎柱・煉獄杏寿郎に聞くことをしのぶはおすすめしたのでした。
上記の一連の流れが、今後の劇場版まで続く展開への重要な伏線になっています。また、その後炭治郎が蝶屋敷に到着してから眠り続ける禰豆子を心配して語り掛けるシーンの後にも、列車内に鬼がいる描写が。この列車のシーンはアニメオリジナルであり、劇場版への橋渡しとなるシーンになっています。
今後何らかの形で劇場版を見たいと思っている人はもちろん、劇場版を見て『鬼滅の刃』ハマったという人も、ぜひとも見てみてほしいところです。
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DIGLE MOVIE編集部
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DIGLE MOVIE編集部ディレクター。音楽、アニメ、漫画、映画、ファッションなど、全てのアートカルチャーをこよなく愛しています。 某音大卒、アメリカ留学後に大手音楽レーベルにてアーティストの新人発掘、マネジメントに携わり、現在はアーティスト兼ディレクター兼アートコンサルタントとして様々な素晴らしいモノ、コトを提供中。 アートを新たな価値として提供する事にも日々模索中でMUSIC HACK DAY Tokyo 2018にも出場し、Sigfox賞を受賞。
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