作中で禰豆子は兄・炭治郎が背負う籠でほぼ過ごしています。これは、彼女が鬼で、太陽の光を浴びると消滅してしまうからです。では、なぜそもそも彼女が鬼と化したのでしょうか。
ある日、年の暮れに向けて食糧を買い込むため、炭治郎は町へと薪を売りに出ます。人のいい炭治郎が商いのついでに、町の人々の頼まれごとも聞いていると、帰りが遅くなってしまうのです。夜道を一人帰ろうとする炭治郎でしたが、知り合いのおじさんに引き止められ、「危ねぇからやめろ」「鬼が出るぞ」と脅されて、その日はおじさんの家に泊めてもらうことに……。
翌朝、炭治郎が急いで家に帰ると、そのときにはすでに鬼の始祖・無惨の手により母や弟妹たちは惨殺されていました。ただ一人、妹・禰豆子を除いて……。まだ息のある彼女を担ぎ、炭治郎は医者のいる町を目指すわけですが、道中で目を覚ました彼女は炭治郎に襲いかかります。実は、彼女もまた無事だったのではなく、無惨の血により人食い鬼と化していたのです。
その後、無惨を追ってきた水柱・冨岡義勇(とみおか ぎゆう)に殺されかけますが、兄・炭治郎を食わず、守ろうとした妹・禰豆子の姿に新たな可能性を見た冨岡に見逃されました。
作中のヒロインにあたる禰豆子は、他の鬼とは異なる点がいくつかあります。では、禰豆子が他の鬼たちとどこが違うのか、彼女の強さのひみつや特殊能力についてご説明しましょう。
本来、鬼の主食は人で、血肉を食らわないと力が弱まります。一方、禰豆子もまた鬼でありながら、彼女はなぜか人を食わなくても問題ありません。眠ることで回復できるようです。
人が鬼になると身体能力が飛躍的に向上します。禰豆子はとくに脚力が向上しているようで、蹴り技が得意です。上弦の陸・堕姫(だき)の頭を一撃でもぎ取るほどの威力があります。
人を食い、力をつけた鬼ほど高い回復力をもちます。しかし、禰豆子は一人も食らっていないにも関わらず、手足が落ちても一瞬で生えるほどで、上弦と同等の回復力をもつのです。
人を食らわなくても高い身体能力と回復力をもつ禰豆子は、それらだけでも十分に特異な鬼なわけですが、彼女はさらに上弦の鬼にも引けを取らない強力な血鬼術を発現させます。
それは、自身の血を燃やし、爆ぜさせる血鬼術「爆血(ばっけつ)」です。作中では下弦の伍・累の鋼のごとく強靭な糸を焼き尽くしていたほか、上弦の陸・妓夫太郎(ぎゅうたろう)の鬼の毒を解毒、回復したり、炭治郎の刀に火を纏わせて「爆血刀」にしたりしていました。
なお、彼女の血は鬼そのものや鬼が生みだしたものは燃やし尽くしますが、反対に人がその血や炎に触れても害はありません。人に仇なす鬼ながら、人を傷つけない能力なわけです。
強靭な肉体と高い回復力をもつ鬼は太陽の光か、陽光と同じ力をもつ日輪刀で頸を切らないと死にません。鬼の始祖・無惨は頸については克服していますが、太陽は同様に弱点です。
一方、禰豆子は刀鍛冶の里編での上弦の肆・半天狗(はんてんぐ)との戦いで、炭治郎らと半天狗を追跡中に朝がきて、陽光を浴びてしまいますが、身体の消滅が途中で止まります。つまり、鬼として初めて太陽の光を克服し、日中でも自由に活動できるようになったわけです。
ただ、太陽の克服は無惨も切望していたことで、禰豆子の変化を感じた無惨は擬態を解くほど取り乱します。そして、彼女はその力を得ようとする無惨に狙われることになるのです。
兄・炭治郎ら鬼殺隊が鬼の始祖・無惨との最終決戦に向けて準備するなか、蟲柱・胡蝶しのぶ(こちょう しのぶ)と協力者の鬼・珠世(たまよ)がついに「人間返り」の薬の開発に成功します。無惨にその身を狙われていることもあり、禰豆子を人に戻すべく薬が投与されるわけですが、その作用で彼女は一時的に深い眠りに……。その後は、作戦本部のすぐ側で匿われます。
無惨との死闘が繰り広げられるなか、炭治郎が無惨に大量の血を撃ち込まれて行動不能に……。すると、禰豆子は突如目覚め、炭治郎のもとに向かいました。隊士らの奮闘、そして太陽の光で無惨は倒されるのですが、一方で炭治郎が鬼と化します。そんな炭治郎のもとに彼女は駆け寄り、人へと引き戻すのです。そのときには、禰豆子もまた人へと戻れていたのでした。
WRITER
DIGLE MOVIE編集部
国内外の“今”の音楽、映画情報が知れるメディア「DIGLE MAGAZINE」。邦画、洋画、アニメなどの幅広い映画ジャンルに精通するメンバーが集まった新進気鋭のメディア編集部が日々気になった情報を発信します。
EDITOR
Asahi
DIGLE MOVIE編集部ディレクター。音楽、アニメ、漫画、映画、ファッションなど、全てのアートカルチャーをこよなく愛しています。 某音大卒、アメリカ留学後に大手音楽レーベルにてアーティストの新人発掘、マネジメントに携わり、現在はアーティスト兼ディレクター兼アートコンサルタントとして様々な素晴らしいモノ、コトを提供中。 アートを新たな価値として提供する事にも日々模索中でMUSIC HACK DAY Tokyo 2018にも出場し、Sigfox賞を受賞。
POPULAR
人気記事