作中で玄弥が初めて登場したのは、炭治郎も参加した藤襲山での最終選別でした。そのときの第一印象は「最悪」のひと言。7日間におよぶ最終選別を無事に生き残った彼は、鬼たちとの死闘の後で気が立っていたのか、説明に現れた鬼殺隊を束ねる産屋敷家のご子息とご息女の話を遮り、「色変わりの刀」と呼ばれる日輪刀を欲しさにご息女の頭をわしづかみにしたのです。その際、炭治郎に止められたにも関わらず、話を聞かなかったために腕を折られてしまいます。
その後、刀鍛冶の里編では炭治郎と温泉でたまたま再開すると第一声が「死ね」、と炭治郎をかなり敵視していました。しかし、里を襲撃してきた上弦の肆・半天狗(はんてんぐ)を、炭治郎やその妹・竈門禰豆子(かまどねずこ)らと協力して倒してからは性格が一変します。炭治郎を認めて態度が柔和になったほか、思春期に突入したようで女の子を前にすると顔を赤らめ、緊張するようになるのでした。なお後日、乱暴した産屋敷家のご息女には謝罪をしています。
本来、鬼殺隊に入隊するには何かしらの呼吸法を使えるのが最低条件。これは、人知を超えた鬼と人の身のまま戦うためには、身体能力を向上させる呼吸法がないと危険なためです。
しかし、玄弥は呼吸法が使えないにも関わらず、最終選別に参加し、鬼殺隊に入隊できています。ここには、炭治郎ら他の隊士にはない、玄弥だけの特殊な身体能力が関わっています。
鬼殺隊の主な武器である日輪刀は「色変わりの刀」とも呼ばれ、隊士の呼吸法によって色を変化させる特性をもちます。そのため、呼吸法を使えない玄弥の刀は「灰色」のままです。
玄弥は日輪刀のほかに、鬼を滅することができる陽光の力をもつ南蛮銃を所持しています。日輪刀と南蛮銃の二刀流で戦うわけですが、戦闘では主に銃で戦果を上げているようです。
本来、人が鬼の血肉を食らうことはできません。しかし、玄弥はその強靭な咬合力と特殊な消化器官により鬼の血肉を食らうことができ、一時的にその鬼の力を得ることができます。
それこそ血鬼術を使えるほどの鬼であれば、彼もまた同じ血鬼術を使うことが可能。人の身でありながら鬼の力を扱えるからこそ、玄弥は呼吸法が使えなくても入隊できたわけです。
玄弥の兄・実弥は鬼殺隊の中核をなす剣士・風柱の位にいます。では、なぜ柱の兄がいるにも関わらず、彼が岩柱・悲鳴嶼のもとで修行しているのか。それは兄弟の過去が原因です。
まだ幼く、鬼とは無縁だった頃、二人は7人兄弟の長男、次男でした。父が刺されて亡くなってからは、母や弟たちを二人で守ることを誓うほど仲はよかったようです。しかしある日、鬼と化した母が兄弟たちに襲いかかり、それを止めるために兄・実弥が母を殺してしまいます。その際、玄弥は母が鬼と化したことに気づいてはおらず、「人殺し‼︎」と兄をつい罵りました。
その後、玄弥はあの日の失言を悔い、謝りたいと、鬼殺隊に入隊した兄の後を追うのですが、再開した兄・実弥は「テメェみたいな愚図。俺の弟じゃねぇよ」と露骨に彼を避けます。ただ、本心から不仲なわけではありません。兄・実弥が弟・玄弥にきつく当たるのは、弟には普通に所帯をもち、家族を増やし、幸せに長生きして欲しいと願う、兄心の裏返しだったのです。
作中の大詰め、無限城編の上弦の壱・黒死牟(こくしぼう)との戦いで、兄・実弥がようやく本心を話したことから互いに大切に思っていたことを知り、二人の溝は埋まるのでした。
鬼の居城・無限城に柱や他の鬼殺隊士らと突入した玄弥は、上弦の壱・黒死牟と霞柱・時透無一郎(ときとう むいちろう)との戦いに遭遇します。黒死牟に腕を切られ、刀で柱に縫い付けられた無一郎を助けようと彼は銃を向けますが、次の瞬間、黒死牟に瞬殺されていました。
ただ、玄弥は鬼の力を得ていたため、腕を、胴を切断されても死ぬことはなく、乱入してきた兄実弥に救われます。その後、岩柱・悲鳴嶼も参戦するも、圧倒的な力をもつ黒死牟の前に劣勢。そこで彼はこの状況を打破すべく、黒死牟の折れた刀の一部を食らいその力を得ます。
鬼の力を増した玄弥は、かつて食らった上弦の肆・半天狗(はんてんぐ)の血鬼術の一部、木を操る術を使えるようになります。銃弾にその血鬼術をのせて放ち、黒死牟を木の根で縫い止めることに成功したところに、他の柱らの連携が加わり、黒死牟の頸を落としたのでした。
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DIGLE MOVIE編集部
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DIGLE MOVIE編集部ディレクター。音楽、アニメ、漫画、映画、ファッションなど、全てのアートカルチャーをこよなく愛しています。 某音大卒、アメリカ留学後に大手音楽レーベルにてアーティストの新人発掘、マネジメントに携わり、現在はアーティスト兼ディレクター兼アートコンサルタントとして様々な素晴らしいモノ、コトを提供中。 アートを新たな価値として提供する事にも日々模索中でMUSIC HACK DAY Tokyo 2018にも出場し、Sigfox賞を受賞。
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