新劇場版の初号機は、先ほど紹介した覚醒状態になった後にニア・サード・インパクトを引き起こしました。覚醒して「疑似シン化第2覚醒形態」と呼ばれる神に近い存在になった初号機は、魂が生まれて還っていく場所であるガフの扉を開いてしまいます。しかしサード・インパクト発生間際に阻止され、初号機はシンジをエントリープラグに入れたまま凍結されたのでした。その後シンジは、14年間にも渡り眠り続けることになります。
独創的で野性味のあるデザインがカッコいい初号機のモチーフは、鬼であるという話があります。鬼に戦隊ロボやウルトラマン、そして『風の谷のナウシカ』に出てきた巨神兵のイメージがミックスされたのが初号機のデザインだと言われているのです。巨神兵をモチーフにしているとは、スタジオジブリの大物プロデューサーである鈴木敏夫が言い出しました。しかし現在では、庵野監督も公認のようです。また、使徒ゼルエル戦で四つん這いになって動く様は、餓鬼をイメージして制作されたと言われています。カッコ良さの中に怖さも混じった初号機のデザインは、鬼のイメージからもたらされたものなのかもしれません。
ここまで、『新世紀ヱヴァンゲリオン』で重要な役割を持つ初号機の特徴やエピソードなどを紹介してきました。初号機は誕生エピソードから作中での役割に至るまで様々な部分で特別な存在として描かれています。初号機に隠された碇ゲンドウとユイ、そしてシンジの関係性に注目して本作を見ると、複雑なストーリーもより理解しやすくなるのではないでしょうか。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』では少ししか登場しませんでしたが、今後のシリーズにおける活躍を期待したいですね!
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DIGLE MOVIE編集部
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DIGLE MOVIE編集部ディレクター。音楽、アニメ、漫画、映画、ファッションなど、全てのアートカルチャーをこよなく愛しています。 某音大卒、アメリカ留学後に大手音楽レーベルにてアーティストの新人発掘、マネジメントに携わり、現在はアーティスト兼ディレクター兼アートコンサルタントとして様々な素晴らしいモノ、コトを提供中。 アートを新たな価値として提供する事にも日々模索中でMUSIC HACK DAY Tokyo 2018にも出場し、Sigfox賞を受賞。
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