銀河系の惑星モントレッサに住むジムは、ある物語に夢中な少年です。それは大海賊フリントが盗んだ財宝をトレジャー・プラネットに隠したという物語。ジムはいつも「トレジャープラネットは実在する」と言って、母親を笑わせていました。
それから12年。15歳になったジムは度々問題を起こす不良少年になっていました。ある日ジムはついに警察から注意を受け、母親とケンカしてしまいます。
その夜ジムが店の屋根に登っていると、彼のすぐそばに宇宙船が墜落しました。中からは重傷を負った男が出てきてジムに宝箱を託し、「サイボーグに気をつけろ」とだけ残し絶命します。
本作の主人公ジムは父親の蒸発によって心を閉ざし不良になってしまった少年であり、現実世界にもいそうな雰囲気を持っています。
しかしストーリー自体は宇宙を舞台にした壮大なものであり、ディズニーアニメのワクワク感は充分に味わえる作品だと言えるでしょう。
「海賊」や「宇宙」、「宝探し」など子供が大興奮しそうな要素をふんだんに盛り込み、ディズニーの映像技術によって見事に1つの作品へと仕上げています。
手書きの温かみと最新のCG技術の両方が感じられる、完成度の高いアニメ映画です。
人間が狩猟をして生活していた時代、人々は自然を司る精霊グレイト・スピリッツが自然や自分達を守ってくれると信じ、崇めていました。狩猟民族イヌイットには、成人を迎えると生きる道しるべとしてトーテムを授かる風習があります。
3兄弟の末っ子キナイは成人を迎え、「愛」の象徴である熊のトーテムを授かりました。しかし彼は、自分が熊のトーテムを授かったことに納得がいきません。
ある日、長兄シトゥカが熊に襲われ命を落とし、怒ったキナイは熊を殺してしまいました。その瞬間、グレイト・スピリッツの一部となったシトゥカにより、キナイは熊に姿を変えられてしまいます。
本作は怒りに任せて熊を殺してしまった青年が精霊によって熊に姿を変えられ、「命」や「愛」について学んでいく作品です。本作の評価は非常に高く、アカデミー賞長編アニメーション賞にもノミネートされました。
熊になったキナイは母親とはぐれてしまった子熊のコーダと出会い、彼の母親探しについていきます。2頭には徐々に信頼関係が芽生えていきますが、やがてキナイこそが、コーダの母親を殺した人間だということが判明するのです。
その後の展開やキナイとコーダのお互いを思い合う気持ちに、思わず胸が熱くなります。
開拓時代のアメリカ西部にあるディクソン牧場は、牛泥棒によって牛たちが盗まれて経営が成り立たなくなり、メス牛のマギーを売りに出します。マギーが売りに出されたのは小さな酪農場のパッチ・オブ・ヘブン。農場主のパールはとても優しい人で、元々住んでいた3頭の牛をはじめ、良い動物の仲間達にも恵まれてマギーは楽しく暮らしていました。
しかし農場の経営は上手くいっておらず、借金のせいで立ち退きを求められてしまいます。自分たちも殺処分されてしまうと聞いたマギーたちは、この状況を解決するために街へと向かうことに。
本作は今となっては貴重な、全編2Dで制作された長編アニメ映画です。舞台が開拓時代のアメリカ・ウェスタンであることもあってか、全体的にとても懐かしい気分にさせてくれる温かい雰囲気の作品になっています。
古典的なアメリカンジョークが満載でストーリーも分かりやすく、「古き良き時代のアニメ作品」を連想させてくれる作品だと言えるでしょう。
また、日本では劇場公開されていないこともあり、ディズニー好きでも見たことがないという人が多い作品でもあります。
その意味で、ディズニー通なら押さえておきたい作品でしょう。
動物達の街オーキー・オークに住むチキン・リトルは、野球選手の息子にも関わらずとても身体が小さく気の弱い子供です。
リトルは1年前、頭の上に降ってきたものに驚き「空の欠片が落ちてきた」と、警察が出動する程の大騒ぎをしたことがありました。結局原因は分からず、それ以来リトルは人騒がせな子として街中の人から呆れられています。
ある日のこと、野球大会に出たリトルは、代打で奇跡的なヒットを打ちチームを勝利に導きました。リトルの父もこれには大喜び。そしてその夜、気分よく空をみあげていたリトルはまた驚きます。なんと、「空の欠片」が再び落ちてきたのです。
本作は何のとりえもない冴えない少年のリトルが、勇気を出して友達を救うことで街の人々や父親の信頼を取り戻し、成長する物語です。
「空の欠片」には心底驚いたのに、誰からも信用されていないリトルは嘘つきだと思われ、更に信用を失っていってしまいます。自分の弱さや情けなさを嘆き、父親の信頼を失って落ち込むリトルの姿に、共感した人も多いのではないでしょうか。
ほんの少し勇気を持って前に進むことで成長し、周りの人の信頼を得られると教えてくれる本作は、子供と一緒に見る作品としてもピッタリでしょう。
WRITER
DIGLE MOVIE編集部
国内外の“今”の音楽、映画情報が知れるメディア「DIGLE MAGAZINE」。邦画、洋画、アニメなどの幅広い映画ジャンルに精通するメンバーが集まった新進気鋭のメディア編集部が日々気になった情報を発信します。
EDITOR
Asahi
DIGLE MOVIE編集部ディレクター。音楽、アニメ、漫画、映画、ファッションなど、全てのアートカルチャーをこよなく愛しています。 某音大卒、アメリカ留学後に大手音楽レーベルにてアーティストの新人発掘、マネジメントに携わり、現在はアーティスト兼ディレクター兼アートコンサルタントとして様々な素晴らしいモノ、コトを提供中。 アートを新たな価値として提供する事にも日々模索中でMUSIC HACK DAY Tokyo 2018にも出場し、Sigfox賞を受賞。
POPULAR
人気記事